〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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理容室・美容室(美容院)の開業・経営に必要な行政手続や法律知識について、さまざまな情報を提供しています。理美容室経営者の方や将来独立開業予定の理容師・美容師の方、理美容業界関係者の方は、ぜひお読みください!
2-4.美容室の構造・設備
 美容所の開設者は、美容所につき以下の措置を講じる必要があります。
  1. 常に清潔に保つこと。
  2. 消毒設備を設けること。
  3. 採光、照明及び換気を充分にすること。
  4. その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置
 以下、上記の1〜4について、順に説明します。 1.の「清潔に保つ」ための措置として、美容師法施行規則には次のとおり規定されています。
  1. 床及び腰板にはコンクリート、タイル、リノリューム又は板等不浸透性材料を使用すること。
  2. 洗場は、流水装置とすること。
  3. ふた付きの汚物箱及び毛髪箱を備えること。
 なお、床について、主として待合室及び通路として明確に区分されており、常に清潔が保持されると認められる場合は、コンクリート、タイル、リノリューム又は板等不浸透性材料の上にカーペット等の敷物を使用することは差し支えないとされています。(昭和54年8月14日 環指第109号 厚生省回答)
 施設の構造や必要な設備については、上記の美容師法・美容師法施行規則で定められている項目のほか、「理容所及び美容所における衛生管理要領について」でも詳しく規定されています。

○理容所及び美容所における衛生管理要領について
 (昭和56年6月1日 環指第95号 厚生省通知 一部抜粋)

 《第2 施設及び設備》
  1. 施設は、隔壁等により外部と完全に区分されていること。
  2. 施設は、ねずみ及び昆虫の侵入を防止できる構造であること。
  3. 施設には、理容又は美容の作業を行う作業場及び客の待合所を設けること。
  4. 施設には、従業者の数に応じた適当な広さの更衣等を行う休憩室を設けることが望ましいこと。
  5. 作業場と待合所は、明確に区分されていること。
  6. 作業場は、作業及び衛生保持に支障を来たさない程度の十分な広さを有し、居住室、休憩室等作業に直接関係ない場所から隔壁等により完全に区分されていること。
  7. 作業場には、適当な広さの器具等を消毒する場所を設けること(消毒室を設けることが望ましい。)。
  8. 作業場の床及び腰張りは、コンクリート、タイル、リノリウム、板等の不浸透性材料を使用し、清掃が容易に行える構造であること。
  9. 作業場内に従業者専用の手洗い設備を設けること。
  10. 便所は、隔壁によつて作業場と区分され、専用の手洗設備を有すること。  (→第4-20 便所の手洗い設備は、流水式とし、適当な手洗い用石けんを備えること。)
  11. 作業場内の採光、照明、換気が十分行える構造設備であること。
    1. 換気には、機械的換気設備を設けることが望ましいが、自然換気の場合は、換気に有効な開口部を他の排気の影響を受けない位置に設置すること。
    2. 石油、ガスを使用した燃焼による暖房器具又は給湯設備は、密閉型又は半密閉型のものであることが望ましいこと。
  12. 洗場は、流水装置とし、給湯設備を設けること。
  13. 作業に伴つて出る汚物、廃棄物を入れるふた付きの汚物箱又は毛髪箱等を備えること。
  14. 皮膚に接する器具類を、消毒済みのものと未消毒のものを区別するために必要な収納ケース等を備えること。
  15. 器具類、布片類及びタオル等を消毒する設備又は器材を備えること。
  16. 器具類及び布片類は、十分な量を備えること。
 なお、開業後の日常の衛生管理については、「第3章 衛生管理について」で詳しく書いていきます。

  2.の「消毒設備」については、上記の「理容所及び美容所における衛生管理要領について」の7番目に記載されています。具体的な消毒の手順・方法については「第3章 衛生管理について」で詳しく書いていきます。

  3.の採光、照明及び換気の実施基準として、美容師法施行細則の規定は以下の通りです。
  1. 採光及び照明 美容師が美容のための直接の作業を行う場合の作業面の照度を100ルクス以上とすること。
  2. 換気 美容所内の空気1リットル中の炭酸ガスの量を5立方センチメートル以下に保つこと。
 一方、「理容所及び美容所における衛生管理要領について」の《第四 衛生的取扱い等(一部抜粋)》には以下のように規定されており、特に照明について異なる基準を設けています。
  1. 作業場内の採光、照明及び換気を十分にすること。
    1. 作業中の作業面の照度が300ルクス以上であることが望ましいこと。
    2. 作業場内の炭酸ガス濃度が5000ppm以下であること。  (炭酸ガス濃度1000ppm以下、一酸化炭素濃度10ppm以下であることが望ましいこと。)  開放型の燃焼器具を使用する場合は、十分な換気量を確保するとともに、正常な燃焼を妨げないように留意すること。
    3. 作業場内の乳遊粉じんが0.15mg/m3以下であることが望ましいこと。
 したがって、この基準を満たすことが出来るような照明設備や換気設備が必要となります。 なお、地下に美容室を設置する場合は、自然採光は不可能なので、照明及び換気を充分にすれば人工採光を認めて差し支えないとされています。(昭和26年12月17日 衛環第141号 厚生省回答)

 4.の「都道府県が都道府県が条例で定める衛生上必要な措置」は各都道府県によって異なります。例として

○東京都 美容師法施行条例
  1. 美容の業務を行う一作業室の床面積は、13?以上であること。
  2. 一作業室に置くことができる美容いすの数は、一作業室の床面積が13?の場合は6台までとし、6台を超えて置く場合の床面積は、13?に美容いす1台を増すごとに3?を加えた面積以上とすること。
  3. 作業室には、作業中の客以外の者をみだりに出入りさせないこと。
  4. 消毒済物品容器及び未消毒物品容器を備えること。
  5. 美容を行うために十分な数量の器具及び客用の布片を備えておくこと。
○大阪府 美容師法施行条例
  1. 美容所と住居その他の施設(第4号に規定する場合にあっては、理容所の施設を除く。)とを区分すること。
  2. 美容所には、待合所を設け、作業場と区分すること。
  3. 美容所の作業場及び待合所の面積の合計は、13?以上とすること。ただし、結髪のみを業とする美容所については、この限りでない。
  4. 美容所と理容所を同一施設内において開設するときは、当該美容所における作業場及び待合所と当該理容所におけるこれらに相当する施設とを区分すること。
  5. 皮膚に接する器具について、消毒済みのものとそれ以外のものとを区別して収納するために必要な設備を設けること。
  6. 外傷に対する応急手当に必要な薬品及びガーゼその他の衛生材料を常備すること。
 となっています。 なお、他の都道府県の条例をインターネットで検索する際には「○○県 美容師法施行条例」をキーワードに検索すると、見つかりやすいと思います。