〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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理容室・美容室(美容院)の開業・経営に必要な行政手続や法律知識について、さまざまな情報を提供しています。理美容室経営者の方や将来独立開業予定の理容師・美容師の方、理美容業界関係者の方は、ぜひお読みください!
4-1.理容と美容の業務範囲
 今回は、理容と美容の業務範囲の違いについて、書いていきます。 一昔前は、男性=理容室、女性=美容室というイメージがありましたが、現在ではこうした図式にも変化が見られます。
 法律上は、両者の違いは次のように規定されています。

○理容師の業務範囲

 理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいいます。(理容師法)
 理容師は、上記の行為のほか、一定の範囲内で「これに準ずる行為」及び「これらに附随した行為」を業として行うことができます。 毛染めは、理容師も美容師もともに行うことができます。 ですので、お客様の性別は、必ずしも男性に限られないということになります。
 ただし、コールドパーマネントウェーブ(以下「パーマ」と書きます)については、次のような規制があります。
  • 「刈込み等の行為に伴う理容行為の一環として」「男子に対し」「仕上げを目的とする」パーマ→行ってもよい。
  • 上記以外のパーマ→行ってはならない。
 したがって、パーマのみ行うことや、女性に対するパーマは規制されていることになります。 (昭和53年12月5日 環指第149号 各都道府県知事あて厚生省環境衛生局長通知)
 また、それに伴い、店頭等における表示の文言についても制限があります。
 理容所においてパーマに関する表示を行う場合には、 「パーマ」、「女性(又はレディス、婦人等)パーマ」又はこれに類する表示は不適当であり、「男性(又は男子、メンズ等)仕上げ」の文言を付することとされています。 (昭和54年2月1日 環指第8号 各都道府県衛生主管部局長あて厚生省環境衛生局指導課長通知)

○美容師の業務範囲

 美容とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいいます。(美容師法)
 美容師は、上記の行為のほか、一定の範囲内で「これに準ずる行為」及び「これらに附随した行為」を業として行うことができます。 毛染めは、理容師も美容師もともに行うことができます。
 顔そりを美容師が行うことは禁止されています。 ただし、化粧に附随した軽い程度の「顔そり」は化粧の一部として美容師がこれを行つてもさしつかえないとされています。 (昭和23年12月8日 衛発第382号 各都道府県知事あて厚生省公衆衛生局長通知)  また、カッティングについては、次のような規制があります。
  • 「パーマ等の行為に伴う美容行為の一環として」カッティングを行うこと→男性客、女性客を問わずOK。
  • 「女性に対する」カッティング→パーマ等の行為との関連の有無にかかわらずOK。
 しかし、これ以外のカッティングは行つてはならないとされています。 (昭和53年12月5日 環指第149号 各都道府県知事あて厚生省環境衛生局長通知)
 また、それに伴い、店頭等における表示の文言についても制限があります。
 美容所において、カッティングに関する表示を行う場合には、「男性(又は男子、メンズ等)カット」又はこれに類する表示は不適当であるとされています。 (昭和54年2月1日 環指第8号 各都道府県衛生主管部局長あて厚生省環境衛生局指導課長通知)  

 ・・・ん・・・ということは、男性の「カットのみ」は禁止されている?? なんだか現実と違うような。。。 この「通知」が出された昭和53年当時と現在では、だいぶ状況が変わっていますよね。

 ところで、「通知」や「通達」というものは、基本的には「行政機関内部の決め事」であって、一般国民の権利義務を直接に規制するものではありません。
 すなわち、「美容師は男性客に対してカットのみを行ってはならない」という「通知」があるからといって、それがすぐに「美容師が男性客に対しカットのみを行うと法律違反となる」わけではありません。
 では、「通達」や「通知」など、まったく無視していいかというと、そうとも言い切れないです。 この点については、また日を改めて書いていきたいと思いますので、今回は深入りしないことにします。