〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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4-7.「知らなかった」では済まされない、違法営業の結末。
 ところで、前々回で紹介した判例(裁判の例)では、かなり悪質なケースでしたので、懲役1年の実刑判決が言い渡されましたが、「一般的な違法営業(?)」の場合、刑の重さはどの程度になるのでしょうか?
 また、「違法とは知らずに営業した場合」はどうでしょうか?

 これについては、同じく医師法違反の罪に問われた、いわゆるレーザー脱毛の営業に関する判例が参考になります。 (平成14年10月30日 東京地裁)

 この事件は、東京都港区の脱毛サロンを経営する夫婦が、3人の従業員と共謀の上で、医師でないのに平成13年5月頃から平成14年3月頃までの間、店内で業として多数の者に対して多数回にわたり、店内に設置したレーザー脱毛機器を使用して、その手甲、膝、口、脇等の皮膚にレーザー光線を照射して体毛の毛根部を破壊する方法による脱毛を行ったものでした。
 この事件で、弁護人は、被告人である脱毛サロン経営者らが医師免許なしにレーザー脱毛の営業をしたこと自体は認めました。
 ただし、被告人夫婦がレーザー脱毛の営業を行うに当たり、レーザー脱毛機器(ここでは「?」としておきます)の輸人販売元側の担当セールスマンから「?」を使用した営業は医師法には違反しない旨の説明を受け、この説明を信じて営業を開始し、継続していたものなので、少なくとも被告人夫婦が「故意に」医師法違反の営業をしたのではないと主張しました。
 しかし、裁判所の判断は
  • 「?」の理論テキスト等の記載内容や、被告人が経営する脱毛サロン店のホームページの記載内容などから、被告人らにおいても「?」によるレーザー脱毛が医行為に該当するのではないかという認識は、あったものと認められること。
  •  被告人らに対し医師法に違反しない旨説明したという「?」の輸入販売元側のセールスマンは単なる「素人」にすぎず、その説明を鵜呑みにして、関係省庁等に問い合わせることもないまま、安易に利潤を得るため、同機器を営業に導入したこと。
  • 当時、既に、厚生省がレーザー脱毛は医療行為に当たるとの見解を都道府県等に通知した旨の新聞報道がなされていたことなどからすれは、少なくとも、被告人らにおいて、「違法であることを知らなかった」ことについて「無理もない」理由があったということはできない。
 ことを理由に、「故意」の医師法違反の罪が成立するとしました。  その上で、
  • 被告人らが低い価格設定で大々的に広告して多数の客を募り、火傷等の皮膚障害を与えるおそれのあるレーザー脱毛を、約9か月半にわたり、延べ1300人以上に対して施術し、平成13年10月以降の約5か月半の期間に限っても1400万円以上の売上を得ていたものと認められ、その施術数、期間、売上高等に照らし、犯情は悪質である。
  • 無免許医業は、国民の生命、身体に直接的に危害を与えるおそれのある危険な犯行であり、本件でも実際に皮膚障害を訴える者が出ているのであって、以上によれば、被告人両名の刑事責任は重い。
  • しかしながら、本件では軽率ではあるものの、被告人らにおいて医師法に違反するとの認識(違法性の意識)を欠いていたこと、
  • 現在では被告人両名とも反省をしていること、
  • 本件により被告人両名とも相当期間にわたり勾留されたこと、
  • 被告人両名とも前科がないこと、
  • 幼い子供がいること。
 など、「罪の重さ」と「罪を軽くしてあげるべき事情」を総合的に考慮した結果、
 「被告人両名をそれぞれ懲役1年(執行猶予3年)及び罰金80万円に処する。」という判決が言い渡されました。 実刑=刑務所行きはとりあえずは免れましたが、罰金80万円は免れません。 また、未決拘留期間(逮捕されてから判決が出るまでの期間)30日間は、拘置所に「閉じ込め」られていました。
 その他、営業上の損失や失われたお客様の信頼など、違法営業の代償はあまりにも大きかったと言わざるをえないでしょう。



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