〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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理容室・美容室(美容院)の開業・経営に必要な行政手続や法律知識について、さまざまな情報を提供しています。理美容室経営者の方や将来独立開業予定の理容師・美容師の方、理美容業界関係者の方は、ぜひお読みください!
4-8.「業として」になる場合、ならない場合(1)
 すでに第1章で書いたとおり、理容・美容を「業として」行う場合には、それぞれ理容師・美容師免許が必要となります。
 「業として」とは反復継続の意思をもって行うことで、その対象が特定であるか不特定であるかを問わず、また目的が営利・非営利であるかは問わないとされています。(昭和24年5月31日 衛発第590号 厚生省公衆衛生局長通知)
 また、理容・美容を行う店舗について、理容所・美容所の開設手続きが必要となります。官庁、学校等が開設する福利厚生施設としての理容所・美容所についても、無料又は実費等対価の如何を問わず届出が必要とされています。(同通知)
 それでは、「業として」に該当するか否かが微妙な場合についてはどうでしょうか? 今回はこの点について、今まで出された通達を見ていきます。

○学校でのクラブ活動としての理髪行為

 小中学校で学校活動として「理髪部」を設け、父兄から理髪用器具の寄贈を受け、生徒間で理髪の刈込や顔そりを行う場合には、その活動の範囲や程度によるが、頭髪を刈る等の行為が生徒相互間においてのみ行われる場合には、理容を業とする場合には該当しないとされています。(昭和31年8月13日 衛環第68号 厚生省公衆衛生局環境衛生部環境衛生課長回答)

○サウナ・ソープランド内での理容行為
 トルコ(今で言う「ソープランド」)・サウナぶろ施設内で理容行為等を行なうことについて
  1. トルコ又はサウナぶろ利用客に対して、客の要請のあつた場合のみ、顔そり、洗髪、ドライ器具等による整髪を行なう行為は、理容師法にいう理容に該当するか?
  2. 客の要請のあつた場合に、整髪のみを行なう場合は?
  3. 理容師がトルコ又はサウナの従業員として雇用され、浴場業の附随サービス行為として、無料で整髪のみを行なう場合、又は若干の料金徴収をする場合は?
 上記1〜3のいずれも、理容師法に規定する理容に該当するとされています。 (昭和43年5月6日 環衛第8074号 厚生省環境衛生局環境衛生課長回答)

○化粧品を販売する手段として、その品の使用上の知識を与えるに行う美容行為

 百貨店や化粧品販売店舗の一角に小規模な化粧室を設け、不特定多数の人に対し美顔術(マッサージ、赤外線及びオゾン美肌法)を施す行為、又は路上等でいわゆるマネキンによる化粧品の販売宣伝をする行為は、その目的があくまでも化粧品の販売にあり、かつ、特定の化粧品の使用方法を実際に取り扱うことによつて顧客に美容のやり方を教えているものである場合には、美容師免許は不要であるとされています。(昭和28年12月14日 衛環第74号 厚生省公衆衛生局環境衛生部環境衛生課長回答)
 ただし、多数の人に対し化粧等の方法により容姿を美しくすることを目的として行っているものである場合には、美容師免許が必要であるとされています。(同回答)
 一般的には、化粧品を販売する手段としてその品の使用上の知識を与えるためたまたま他人に美容行為を行う程度であれば、業とはならないとされています。
 しかし、家庭パーマ普及の名目で各地(主に農村)を廻り歩き、地元の婦人組織に呼びかけて講習会を設定させ、その会場において出席者の中から1〜2名の本人の申出によるモデルを選び(モデルに対しパーマ液使用料を徴収)、販売商品であるパーマ液を使用してパーマをかけてみせ、希望者に対し会場においてそのパーマ液を販売する行為については、
  1. モデルをその都度一般大衆の中から選ぶこと。
  2. 名目は別としても現実に美容行為としての根幹である毛髪に対するウエーブ装着の実施という技術を施し、これを行う者が毎日同一の人物で場所はその都度変るが相当期間継続されること。
 から、不特定人を対象として反覆復継続する「業」となり、本人が美容師免許をうけていなければ違反する行為となる場合もあるとしています。

 美容師の免許を有する家庭の主婦(過去において美容所に勤務したことのある家庭主婦)が、現在住んでいる団地内の住宅で、ほとんど毎日のように団地内の主婦達を集め、主婦達の中からモデルを選び(一日数人のモデルをこなし、モデルからは低料金を徴する。)パーマのかけ方やセットの仕方を実演し、モデル並びに美容術を教えた主婦達へコールド液を販売する場合についても、行為の態様よりみて不特定又は多数の者に反覆継続して美容行為を行なつていると認められるとしています。したがって、美容師法の適用があり、衛生基準などの規定を守る必要があります。(昭和41年9月29日 環衛第5110号 厚生省環境衛生局環境衛生課長回答)

 美容師の免許を持っていないけれども、美容の心得のあるコールド液販売者(コールド液を販売することを内職とする者)が、農村の特定の家に毎日曜出かけて行って、婦人美容教室と称し、部落の婦人達を集め、一日数人をモデルにしてパーマや結髪を行い、施術したモデルからは料金を徴し、あわせて携行したコールド液を受講者に販売する場合、行為の態様よりみて不特定又は多数の者に反覆継続して美容行為を行なつていると認められるとしています。この場合には無免許営業の問題が生じます。(同回答)

○いわゆる「全身美容」を行う場合

 いわゆる「全身美容」で、化粧品等を使用して全身に対する作業を行い、或いはむし風呂、白湯、牛乳、レモン風呂等入浴施設を設け、美顔術と併用して全身のマッサージ等を行なうものについては、現行の美容師法における「美容」には該当しないため、美容師免許は不要とされています。(ただし、入浴施設を備え多数人を反覆継続して入浴させるときは公衆浴場法の適用があります。)
 その理由として、美容師法で規定する「美容」は「パーマネントウェーブ、結髪、化粧『等』の方法」によるものに限られており、これらの方法は通常首から上の容姿を美しくするために用いられるものであるので、条文の中に『等』という言葉が含まれていても、その範囲には一定の限界があり、それが多少拡張される場合にもマニキュア、ペディキュア程度にとどまるためであるとしています。(昭和42年2月16日 環衛第7030号 厚生省環境衛生局環境衛生課長回答)
 なお、『等』の中に、頭髪の毛染行為は含まれるとされています。したがって、化粧品店で染毛剤の販売に付随して毛染行為を反覆継続して行う場合には美容師法上の「業」に該当するので、美容師免許が必要となります。(昭和49年6月12日 環指第18号 厚生省環境衛生局指導課長回答)