〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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理容室・美容室(美容院)の開業・経営に必要な行政手続や法律知識について、さまざまな情報を提供しています。理美容室経営者の方や将来独立開業予定の理容師・美容師の方、理美容業界関係者の方は、ぜひお読みください!
4-9.「業として」になる場合、ならない場合(2)
 引き続き、「業として」になる場合、ならない場合についての通達を見ていきます。

○いわゆる「美顔施術」を行う場合

 理容所内に「美顔コーナー」を設置し、理容師が客の性別、頭髪の刈込、顔そり等の施術に関係なく料金を受け取って、美顔器具を用い美顔の施術(マッサージ等別添資料)を行う場合、
  1. 「美顔施術」は、理容師法の範囲に含まれるか。
  2. 「美顔施術」は、美容師法の範囲に含まれるか。
  3. 「美顔施術」が、理、美容師法のいずれかの範囲に含まれる場合は、その判断はどのようにするか。
 について、
  • いわゆる美顔施術(医療行為又は医療類似行為である場合を除く。)については、当該施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等業を行うに当たつて公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には、理容師法又は美容師法の対象となる。
  • 個々の施術が、理容に当たるか美容に当たるかは、その行為の目的、形態等に照らして判断すべきものである。
  • いわゆる美顔施術であつても、当該施術が簡易なマッサージ、膚の汚れ落し程度のものである場合には、理容師法及び美容師法のいずれの対象ともならない。
 としています。 (昭和56年4月25日 環指第77号 厚生省環境衛生局指導課長回答)

○婚礼の着付け等に伴い化粧結髪等を行う場合

 美容師の資格を有しない「着付士」と称する者が、婚礼の着付け等に伴い化粧結髪等を行うことは、美容師法に基づき、美容師以外の者が業として行うことは禁じられており、このような無資格者による美容行為は認められないとされています。 (平成2年4月23日 衛指第70号 厚生省生活衛生局指導課長回答)

○写真スタジオでヘアメイクを行う場合

 「写真スタジオ」において、写真撮影の直前に行う結髪化粧等の美容行為については、その行為が、社会通念上、「美容を業とする」と判断できるような場合には、美容師法の適用を受けるとされています。したがって、美容師免許を持たない場合、美容師法の規定(無免許営業の禁止、美容所以外の場所における営業の禁止)に違反する可能性があります。(平成8年2月2日 衛指第8号 厚生省生活衛生局指導課長回答)
 どのような場合が、社会通念上「美容を業とする」と判断されるのか、その基準については明確にはされていませんが、以下のような事例では、「該当することも十分考えられる」となっています。
  • 業務内容 主として子供が対象であり、スタジオに備え付けの様々な衣装の中から好みの物を選択し、ヘアーメークを行った後、写真撮影を行うものである。
  • 地元保健所による実態調査の内容 写真撮影の直前に、美容師の資格を持たない者が結髪、化粧を行うものであるが、頭髪の刈込み、顔そり、パーマは行わない。器具類はヘアブラシ、櫛、カーラー、ヘアピン、化粧品、口紅等を使用している。 料金については、衣装着付け、セット、メイクは無料であるが、写真代として、3000〜7000円程度を受取っている。
 これは私の私見なのですが、「業となる」判定基準としては、
  • 美容師が免許制となっている理由のひとつに衛生管理があげられることから考えると、「主として子供が対象」であることは、あまり関係がないと思われます。(相手が子供だからといって衛生基準が緩くてもいいということはありえない。)
  • 婚礼の着付け等に伴い化粧結髪等を行うことも、反復継続して行う以上「美容業」に該当することから、「美容業」となるかどうかの基準として「頭髪の刈込み、顔そり、パーマ」を行うかどうかは、あまり関係がないと思われます。
  • 「器具類はヘアブラシ、櫛、カーラー、ヘアピン、化粧品、口紅等を使用している」ということは、「業」となることに少なからず関係があると思われます。なぜなら、これらの器具は美容師法や美容師法施行規則で、消毒をすることやその方法が義務付けれられており、これらの器具を写真店において不特定多数に用いることは、やはり美容室と同様に衛生上何らかの手段を講ずる必要があると思われるからです。
  • 反復継続であれば有償・無償を問わないことからすると、「衣装着付け、セット、メイクは無料」であることも、あまり関係がないと思われます。また、これらの料金は実質的に写真代に含まれているとも解釈できるからです。
  • 「ヘアメイクの目的はあくまで写真撮影のためであり、ヘアメイクそのものが目的ではないので美容業に該当しない」という点については、多少判定基準となる可能性はあるものの、この通知からは判断できません。確かに写真撮影後に髪をほどいて、メイクも落として退店するのであれば「社会通念上、美容業に該当しない」とも言えそうです。しかし、婚礼の着付け等に伴い化粧結髪等を行うことも、美容業となることを考えると、「一時的なヘアメイク」だからという理由だけで、美容業に該当しないともいいきれません。
 個人的には、私も子供をつれて上記のような写真スタジオに写真を撮りに行ったことがあるのですが、写真スタジオの従業員に美容師免許が必要という話は、この先例を読むまで知りませんでしたし、また業界関係者以外の一般国民も同様だと思います。
 その点からすると、写真スタジオが「社会通念上、美容業に該当」するのかは多少疑問です。もっとも、そうであったとしても、やはり使用するヘアブラシなどの器具については、やはり美容室同様に衛生管理をするべきだとも思います。