〜理容室・美容室(美容院)経営の法律知識〜

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6-3.株式会社の役員について(2)
 新しい会社法では、役員の任期や資格についても、大きな変更がなされました。

《4:役員の任期が最大で10年に(非公開会社の場合)》

 旧商法では、株式会社の取締役の任期は2年、監査役の任期は4年でした。したがって、それそれ2年か4年ごとに「役員変更の登記」というものが必要でした。4年に1回のオリンピックやサッカーのワールドカップでさえ、この前終わったかと思えばすぐ次の大会が始まっていたりするのに、2年に一度というのは、かなり短いですよね。
 この点、新しい会社法では、「非公開会社」については、定款で定めることによって取締役や監査役の任期を最大10年にまで延長することが出来るようになります。
 ただし、「公開会社」については、従来どおり取締役の任期は2年、監査役の任期は4年です。ちなみに、公開会社・非公開会社とも、取締役の任期については2年未満に短縮することも可能ですが、監査役については最低4年で延長することはできても短縮することはできません。

 なお、旧商法で定められていた「設立時の」取締役・監査役の任期を1年とする規定は廃止となりましたが、会社法が施行される前に設立された株式会社についてはこのルールは依然として当てはまりますので、注意が必要です。

《5:役員の任期は何年にすべきか?(非公開会社の場合)》

 さて、役員の任期についても、変更の登記費用を節約するために、本当に10年に延ばしてしまっても良いのか? という問題があります。
 といいますのは、何らかの事情で取締役を解任、つまり「クビ」にする場合には、そのクビにされた取締役から会社に対して損害賠償を請求できる場合がありますが、クビにされた時点でその人の任期があと何年残っていたかによって、請求できる金額に影響が生じるからです。例えば、取締役の任期を10年に設定している場合で、その人を2年後に解任すると、「残り8年分の報酬」を損害賠償として請求される可能性があります。

 この点、従来どおり取締役の任期を2年にしておけば、その人は「任期満了」で自動的に退任となります。あとは、その人を再任しなければ「クビ」にしたことにはなりませんので、「すみやかにお引取り」願えるわけです。
 役員の顔ぶれによっては、取締役の任期をあまり長くするのは考えものだということですね。

《6:破産した人でも役員に選任可能に》

 従来の商法では、「破産手続開始決定を受けで復権していない者」は取締役や監査役などの役員に選任することができませんでした。
 しかし、新しい会社法では、破産した人を役員に選任することが出来るようになります。これによって、例えば一度自分の会社を倒産させ、その会社の連帯保証をしていたため自分も破産してしまった元経営者の方でも、再起を図りやすくなったといえます。
 ただし、現在役員となっている人が破産した場合には、破産は役員の「退任事由」ですので、いったん退任することになります。ただ、そのあと再びその人を再任することも、出来るようになったということです。そのまま引き続き役員でいられるわけではないことに、注意が必要です。

《7:取締役の解任が、原則として普通決議で可能に》

 旧商法では、取締役を解任するためには株主総会の特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数)が必要でした。しかし、新しい会社法では、取締役を解任するには株主総会の普通決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の過半数)でOKとなりました。要するに、「3分の2以上」が「過半数」に引き下げられたため、取締役が解任されやすくなったということです。
 もっとも、会社法では「定款で別段の定め」をすることを認めていますので、実際には多くの会社で定款により解任の決議要件を旧商法と同じ「3分の2以上の多数(株主総会の特別決議)」に引き上げて、取締役の地位の安定を図るケースも多いようです。
 なお、監査役については、会社法でも旧商法と同じく、解任するには株主総会の特別決議が必要であると法定されており、これを普通決議に引き下げることはできないとされています。