メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第47号 2006年9月27日発行
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  <発行元:司法書士・行政書士 森法務事務所 毎週水曜日発行>
  URL:http://www.ribiyou6pou.com/ MAIL:magazine@ribiyou6pou.com
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★☆理美容室における個人情報の保護について(6)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。

 さて、個人情報の取得について、前回の続きです。
個人情報取扱事業者が、個人情報を取得するルートとしては、

1.本人から直接、書面やホームページの画面入力によって、その本人の個人
  情報を取得する場合。
2.本人から直接、口頭など上記1.以外の手段によって、その本人の個人情
  報を取得する場合。
3.官報などの公開情報から、第三者を介さずに個人情報を取得する場合。
4.知り合いや名簿業者など、第三者を介して間接的に取得する場合。

などが考えられると思います。

 まず、1.のように、個人情報取扱事業者が本人の氏名・住所などが書かれ
た契約書などの書面を受け取ることによって、その本人の個人情報を取得する
場合や、ホームページのユーザー入力画面への打ち込み等により、直接本人か
ら個人情報を取得する場合には、「あらかじめ」「本人に対し、その利用目的
を明示」しなければならないとされています。
 ただし、人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要かある場合は、
その必要はありません。

○あらかじめ、「本人に対し、その利用目的を明示」しなければならない場合

1.申込書・契約書に記載された個人情報を本人から直接取得する場合
2.アンケートに記載された個人情報を直接本人から取得する場合
3.懸賞の応募はがきに記載された個人情報を直接本人から取得する場合

 なお、経済産業省のガイドラインでは直接例示されていませんが、美容室の
カルテを作成するため、お客様に住所・氏名を書いていただく場合も、これに
当てはまると考えられます。

 「本人に対し、その利用目的を明示」とは、本人に対して、取得した個人情
報の利用目的を明確に示すことをいい、事業の性質や個人情報の取扱状況に応
じて、内容がきちんと本人に伝わるような、合理的かつ適切な方法によらなけ
ればならないとされています。

○利用目的を明示したといえる事例

1.利用目的を明記した契約書その他の書面を、相手方である本人に手渡し又
  は送付すること。
 (ただし、書面のウラ側に利用目的についての条項を記載する場合には、例
  えば、「ウラ面に利用目的が書かれていますよ」と伝えるか、又はオモテ
  面に「利用目的はウラ面に記載されている」旨を記載するなどの留意が必
  要である。)
2.ネットワーク上においては、本人がアクセスした自社のウェブ画面上など
  に、その利用目的を明記すること
 (ネットワーク上において個人情報を取得する場合には、本人が送信ボタン
  等をクリックする前等に、その利用目的が本人の目にとまるように、配置
  に留意する必要がある。利用目的の内容が示された画面に1回程度の操作
  でページを移すように設定したリンクやボタンを含む。)

 次に、2.3.4.のような手段で個人情報を取得した場合には、個人情報
取扱事業者は、すみやかに、その利用目的を、「本人に通知し又は公表」しな
ければならないとされています。この場合は「取得後、すみやかに」です。
(ただし、あらかじめその利用目的を公表している場合には、本人に対して通
知する必要はありません。)

○「取得後、すみやかに」本人に「通知又は公表」が必要な事例

1.インターネット上で本人が自発的に公にしている個人情報を取得する場合
2.インターネット、官報、職員録等から個人情報を取得する場合
3.電話による問い合わせやクレームのように本人により自発的に提供される
  個人情報を取得する場合
  (本人確認や問い合わせに対する回答の目的でのみ個人情報を取得した場
  合を除く。)
4.個人情報の第三者提供を受ける場合
 
 例えば名簿業者から名簿を購入して、DM発送などに使用する場合には、そ
の名簿を「取得後、すみやかに」その名簿に書かれた個人情報の利用目的を、
本人に通知し又は公表しなければなりません。
(実際には、個々に通知するのは手間ですので、あらかじめ『公表』という手
段をとることが多いです。→後述)

 「本人に通知」とは、本人に直接知らしめることをいいます。この通知は、
事業の性質や個人情報の取扱状況に応じて内容がきちんと本人に伝わるような
合理的かつ適切な方法によらなければならないとされています。

○本人に通知したといえる事例

1.面談においては、口頭又はちらし等の文書を渡すこと。
2.電話においては、口頭又は自動応答装置等で知らせること。
3.離れている者同士の間においては、電子メール、ファックス等により送信
  すること、又は文書を郵便等で送付すること。
4.電話勧誘販売において、勧誘の電話においてロ頭の方法によること。
5.電子商取引において、取引の確認を行うための自動応答の電子メールに記
  載して送信すること。

 また、「公表」とは、一般の人々が知ることができるように発表することを
いいます。公表に当たっては、事業の性質や個人情報の取扱状況に応じて、合
理的かつ適切な方法によらなければならないとされています。

○公表したといえる事例

1.自社のウェブ画面中のトップページから1回程度の操作で到達できる場所
  への掲載
2.自社の店舗・事務所内におけるポスター等の掲示、パンフレット等の備置
  き・配布等
3.店舗販売においては、店舗の見やすい場所への掲示によること。
4.通信販売においては、通信販売用のパンフレット等への記載によること。

 なお、すでに取得した個人情報について、その利用目的を変更する場合にも
変更された利用目的について、本人に通知し又は公表しなければならないとさ
れています。ただし、ここで注意しなくてはならないのが、個人情報取扱事業
者は、そもそも「社会通念上、本人が想定することが困難でないと認められる
範囲内」でしか、利用目的を変更できない点です。(これについてはすでに、
前節で書いています。)

≪例外として、利用目的の通知・公表が不要の場合≫

 利用目的を本人に通知し又は公表することにより

1.本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれかあ
  る場合
2.その個人情報取扱事業者の権利又は正当な利益を害するおそれがある場合
3.国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協
  力する必要がある場合であって、当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれか
  あるとき。
4.取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合

 には、利用目的の通知・公表は不要となっています。

 なお、4.についての具体例として

1.商品・サービス等を販売・提供する場面で、お客様の住所・電話番号等の
  個人情報を取得する場合、その利用目的が当該商品・サービス等の販売・
  提供のみを確実に行うためという利用目的であるような場合
2.一般の慣行として、氏名・所属・肩書・連絡先等の書かれた名刺を交換す
  る場合、その利用目的が今後の連絡のためという利用目的であるような場
  合(ただレダイレクトメール等の目的に名刺を用いることは自明の利用目
  的に該当しない場合があるので注意を要する。)

 があげられます。例えば、宅配便を送る際に、伝票に送り主の住所を書く場
合などのように「いちいち尋ねなくても、その個人情報の利用目的が分かる」
ような場合です。(次号につづく)

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 最近はすっかり、以前に書いた記事を使いまわすような形での「手抜き」を
しています。
 もともとは、メルマガで最新の記事を書いて、それを分類・編集したものを
サイトに掲載することを考えていたのですが、最初のころはサイトのページ数
をある程度充実させるために、頑張って記事をのっけてしまったのですね。
 その結果、メルマガのほうが、サイトよりも遅れた状態になってしまってい
ます。これはあたかも、マンガ週刊誌で、単行本のほうがストーリーが先行し
ているような状態ですね。
 ただ、今回の個人情報保護のテーマが終わったら、また新規に記事を書いて
いきたいと思っていますので、いましばらくお待ちください。

 それでは、次号もよろしくお願いいたします。

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