メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第53号 2006年11月15日発行
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  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行 関連サイト http://www.ribiyou6pou.com
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★☆理美容室における個人情報の保護について(12)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。

 今回は、保有個人データの開示等の手続きについて書いていきます。
 難しそうに聞こえますが、要するに、自分のお店の顧客名簿やカルテに住所
や氏名などが記録されているお客様から「自分のデータを見せてくれ」とか、
「自分のデータを抹消してくれ」と言われた場合に、どのように対処すればい
いか、ということです。


○保有個人データの開示について

 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人に関する保有個人データの開示
を求められたときは、本人に対して書面を交付するなどの方法により、遅滞な
く、その保有個人データを開示しなければならないとされています。これは、
その本人に関する保有個人データが存在しないときに、その旨を知らせること
を含みます。

 要するに、お店のお客様から「自分について書かれたカルテの内容を見せて
くれ」と求められた場合には、お店の側はカルテの内容が書かれた紙をお客様
に渡すなどの方法によって、なるべく早めに、そのカルテの内容をお客様に伝
えなければならないということです。

 また、そのお客様のカルテがお店に存在しない場合(最初からない場合・す
でに廃棄した場合など)にも、無視するのではなく、「今、お店には、あなた
のカルテは存在しない」ことを、やはり同様に伝えなければならないというこ
とです。(開示を行わない理由の通知については努力義務です。)

 ただし、次の1〜3の場合には、その全部又は一部を開示しないことができ
ます。(この場合、「開示しない」旨を本人に通知する必要があります。)

 1.本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれ
   がある場合
  (例:医者が本人に病名等を開示することにより、本人の心身状況を悪
     化させるおそれがある場合)
 2.その個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすお
   それがある場合
  (例:同じ人間が、同じ内容の開示請求をしつこく繰り返しているため
     他の問い合わせ対応業務が立ち行かなくなるなど、業務上著しい
     支障を及ぼすおそれがある場合)
 3.他の法令に違反することとなる場合

 なお、本人に対して保有個人データを開示する方法は、「書面の交付による
方法」のほか、「開示の求めを行った者が同意した方法があるときは、その方
法」でもよいとされていますので、eメールでもよいと同意してくれたお客様
に対しては、eメールで開示してもよいことになります。また、開示の求めが
電話であった場合には、そのお客様が特に「書面で送ってくれ」などの注文を
つけない限り、必要な本人確認等の後で、そのまま電話で問い合わせに回答し
てもよいとされています。


○保有個人データの訂正・追加・削除について

 個人情報取扱事業者は、本人から、保有個人データに誤りがあり、事実でな
いという理由によって訂正等を求められた場合には、原則として、訂正等を行
い、訂正等を行った場合には、その内容を本人に対して遅滞なく通知しなけれ
ばならないとされています。

 ただし、利用目的から見て訂正等が必要ではない場合や、誤りである旨の指
摘が正しくない場合には、訂正等を行う必要はありません。その場合には、遅
滞なく、訂正等を行わない旨を本人に通知する必要があります。

 なお、他の法令の規定により特別の手続が定められている場合には、その特
別の手続が優先されることになります。

 要するに、お客様から「お店のカルテに書かれている私の住所が間違ってい
るので訂正してください」と求められた場合には、原則としてカルテの内容の
訂正を行い、「このように訂正しました」ということを、なるべく早く本人に
通知しなければならないということです。

 また、お客様の訂正要求が「勘違い」であったときにも、そのまま無視して
いいというわけではなく、「調査した結果、当店のデータに誤りはありません
でしたので、訂正を行いませんでした」という旨を、やはり同様に通知しなけ
ればならないということです。(訂正を行わない理由の通知については努力義
務です。)


○保有個人データの利用の停止・消去について

 個人情報取扱事業者は、本人から、「本人の同意なく、個人情報を利用目的
の範囲外で利用した」「個人情報を不正に取得した」という理由で、その本人
に関する保有個人データの利用の停止又は消去を求められた場合には、原則と
して、利用の停止又は消去を行わなければならないとされています。なお、こ
の場合、遅滞なく、その旨を本人に通知する必要があります。

 ただし、違反を是正するための必要な限度を超えている場合や手続違反であ
る旨の指摘が正しくない場合には、利用の停止又は消去を行う必要はありませ
ん。その場合には、遅滞なく、利用の停止や消去を行わない旨を本人に通知す
る必要があります。

 要するに、お店のカルテ作成のためという利用目的の範囲を超えて、DMの
発送を行うのに個人情報を利用した場合に、本人から「私のデータをDM発送
目的に利用しないでください」とか「私のデータを消去してください」と求め
られた場合には、本人の要求に従って利用の停止又は消去を行い、その旨をな
るべく早く本人に通知しなければならないということです。

 また、本当はDM発送もお店の個人情報の利用目的に含まれているのに、お
客様の勘違いで利用停止や消去を求められた場合にも、そのまま無視していい
というわけではなく、「DM発送も当店の個人情報の利用目的の範囲内ですの
で消去は行いませんでした」という旨を、やはり同様に通知しなければならな
いということです。(消去を行わない理由の通知については努力義務です。)


○保有個人データの第三者への提供の停止について

 個人情報取扱事業者は、本人から、「本人の同意なく、個人データを第三者
に提供した」という理由で、その本人に関する保有個人データの第三者への提
供の停止を求められた場合には、原則として、第三者への提供の停止を行わな
ければならないとされています。なお、この場合、遅滞なく、その旨を本人に
通知する必要があります。
(次号に続く)

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 先日、ある理美容関係の出版者の方から、個人情報保護法関連の原稿の執筆
依頼を受けました。
 具体的な出版社名や内容はまだお知らせ出来ませんが、採用されれば近日中
に活字媒体として、記事が掲載されることになります。

 個人情報保護法が2005年4月に施行されて、約1年半が経過しました。
この法律にはいろいろと問題点もあり、批判も多いのですが、ただ、この法律
が施行されたことにより、個人情報に対する意識が、企業側・消費者側とも高
まったということはいえそうです。

 美容サロンでは、お客様の大切な個人情報を数多くお預かりすることと思い
ます。「あのお店では、顧客情報を横流ししているみたい」という風評がいっ
たん広がれば、もはや誰も、そのお店のカルテに自分の住所氏名を書き込もう
とは思わなくなってしまうことでしょう。したがって、たとえ個人情報保護法
が適用されない小規模のお店であっても、一定の対策は必要といえますね。

 それでは、次号もよろしくお願いいたします。

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