メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第54号 2006年11月22日発行
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  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行  関連サイト http://www.ribiyou6pou.com
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★☆理美容室における個人情報の保護について(13)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。
 今回も、保有個人データの開示等の手続きについて書いていきます。

○開示等の求めに応じる手続

 今まで見てきた、保有個人データの「開示」「訂正・追加・削除」「利用の
停止・消去」「第三者への提供の停止」については、政令で定めるところによ
り、その「求めを受け付ける方法」を定めることができます。
 この場合において、本人は、当該方法に従って、開示等の求めを行わなけれ
ばならないとされています。

 ところで、個人情報取扱事業者にあてはまる理容室・美容室の経営者の方に
は、この「開示等の求めを受け付ける方法」をきちんと定めておくことを強く
お勧めいたします。
 といいますのも、今まで見てきたように、お客様等からお店に対し、個人情
報の開示などの手続きを要求された場合には、たとえお店の側にその本人の個
人データがあろうと無かろうと、本人に対する通知など、何らかの対応をとる
ことが義務付けられています。

 これは、すなわち、たとえ「言いがかり」的な個人データの開示・消去の要
求であろうとも、お店としてはきちんと対応をしなければならないことを意味
します。放っておくことは許されないのです。

 また、「開示等の求めを受け付ける方法」を定めない場合には、開示請求を
する人に、自由な申請を認めることになります。そうなると、忙しい土日の時
間に電話によって開示等の請求がなされても、お店としては対応しなければな
らなくなります。

 この点、お店の側であらかじめ「開示等の求めを受け付ける方法」を定めて
おけば、個人データの開示等を求める側の人間も、このルールに従って開示等
を請求しなければならなくなります。開示請求を郵送やFAXに限定する旨を
定めることも、さらには、手数料を徴収する旨を定めることもできます。手数
料は実費程度しか徴収出来ませんが、こうした「嫌がらせ」的な個人データの
開示・消去の要求に、一定の歯止めをかけることができます。

 さらに重要なことは、こうした手続きを定めておくことにより、本人になり
すました他人が、本人の個人情報をお店から聞き出そうとするような場合に、
うかつにも教えてしまうといったことを防ぐことが出来ます。
 最近は、「同窓会の名簿を作る」と称して、お客様や、特に従業員の住所な
どの個人情報を聞き出そうとする事件が結構増えています。だまされて教えて
しまうと、お店の側に「個人情報保護法違反」や「プライバシー侵害」の責任
が生じかねないので、この点にはご注意ください。


○「開示等の求めを受け付ける方法」として、定めることができる事項

 1.開示等の求めの受付先
 2.開示等の求めに際して提出すべき書面の様式(電子的方式、磁気的方
   式などを含む。)
   その他の開示等の求めの受付方法(郵送、FAXで受け付ける等)
 3.開示等の求めをする者が本人又はその代理人であることの確認の方法
  (ただし、確認の方法は、事業の性質、保有個人データの取扱状況、開
   示等の求めの受付方法等に応じ、適切なものでなければならない※)
 4.保有個人データの利用目的の通知、又は保有個人データの開示をする
   際に徴収する手数料の徴収方法

  ※本人確認方法の例
   (1)来店する場合
      運転免許証、健康保険の被保険者証、旅券(パスポート)、
      写真付き住民基本台帳カード、外国人登録証明書、年金手帳
   (2)オンラインの場合
      IDとパスワード
   (3)電話の場合
      一定の登録情報(生年月日等)、コールバック
   (4)郵送、FAX等の場合
      運転免許証のコピーと住民票の写し
 
  ※代理人の確認方法の例
   (1)本人及び代理人ついて、
      運転免許証、健康保険の被保険者証、旅券(パスポート)、
      外国人登録証明書、年金手帳、弁護士の場合は登録番号、
      代理を示す旨の委任状

 「開示等の求めを受け付ける方法」を定めた場合には、「本人の知りえる状
態」(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置いておかなけれ
ばならないとされています。
 「本人の知りえる状態」については、すでに第52号で書いていますので、
そちらを参照してください。

 なお、個人情報取扱事業者が、「開示等の求めを受け付ける方法」を合理的
な範囲で定めたときは、求めを行った者がそれに従わなかった場合、開示等を
拒否することができます。

 また、個人情報取扱事業者は、円滑に開示等の手続が行えるよう、本人に対
し自己のデータの特定に必要な事項(住所、ID、パスワード、会員番号等)
の提示を求めることができます。

 ただし、個人情報取扱事業者は、「開示等の求めに応じる手続」を定めるに
当たっては、必要以上に煩雑な書類を求めることや、求めを受け付ける窓口を
他の業務を行う拠点とは別にいたずらに不便な場所に限定すること等して、本
人に過重な負担を課することのないよう配慮しなければならないとされていま
す。いくら「嫌がらせ」的な個人情報の開示請求を防ぐためとはいえ、やりす
ぎはダメということですね。


○手数料について

 個人情報取扱事業者は、保有個人データの利用目的の通知又は保有個人デー
タの開示を求められたときは、その措置の実施に関し手数料の額を定めること
ができます。
 また、手数料の額を定めた場合には、本人の知り得る状態(本人の求めに応
じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置いておかなければなりません。
 なお、手数料を徴収する場合は、実費を考慮して合理的であると認められる
範囲内で、その手数料の金額を定めなければなりません。


○苦情の処理について

 個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処
理に努めなければなりません。また、苦情の適切かつ迅速な処理を行うに当た
り、苦情処理窓口の設置や苦情処理の手順を定める等必要な体制の整備に努め
なければならないとされています。(努力義務)
 もっとも、無理な要求にまで応じなければならないものではありません。

 以上で、「個人情報保護法」の記事を終了します。次回以降のテーマはまだ
未定ですので、来週までに考えておきます。

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 先日、今年度の司法書士試験合格者、つまり私の後輩となる司法書士のタマ
ゴの人たちとの懇親会に行ってきました。

 ちなみに、今年の司法書士試験の受験者数は26,278名、最終合格者は
914名でした。私が受験した昨年の合格者数は883名でしたので、今年は
昨年よりもわずかに増加していますが、こと石川県に関しては、昨年は私も含
めて4名だったのが、今年は11名の大量合格でした。

 実は、今年に入ってから、私はLECという資格試験の予備校で、非常勤講
師として受験指導にあたっているのですが、ただ、出番はもっぱらガイダンス
のみで、実際に授業を行っているわけではないので、この人数の増加に貢献し
た割合は、それほどではありません。でも、端から見ると、私が来たことで合
格者が増えたようにも見えますので(笑)、光栄に思いますね。
 もっとも、後輩が大勢入ってくるということは、それだけ「商売敵」が増え
るという面もあります。私も彼らに負けないように、努力していかないといけ
ませんね。

 それでは、次号もよろしくお願いいたします。

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 ○本誌に掲載した記事内容の無断転載・転用・転送は一切お断り致します。
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