メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■
  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第59号 2007年1月17日発行
■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■
+=================================+
  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行  関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
+=================================+
□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□

★☆『キャバクラ嬢・髪型裁判』を分析する(2)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。
 さて、『キャバクラ嬢・髪型裁判』についての判決文の解説記事です。今回
は事件の概要をみていきます。

《前提事実》
 
(1)原告(27歳、女性)は、新宿区にあるキャバクラ・Cのキャバクラ嬢
   であり、その源氏名はDである。
   被告は、東京都渋谷区において美容室Eを経営している。
(2)原告のキャバクラ嬢は、平成16年4月4日午前11時45分、美容室
   Eを訪れ、被告の美容室Eの店長である美容師Fに対し、その頭髪に関
   するカット、カラーリング等を依頼し、被告はこれを税込み代金1万6
   500円(内訳:ポイントストレートパーマ3000円、カラーリング
   9000円、カット4500円)で承諾した。
(3)原告のキャバクラ嬢は、同日、上記カット、カラーリングの結果が希望
   と異なったので、本件カットの途中で退席した。
(4)被告は、平成16年4月16日、原告のキャバクラ嬢に対し、この件の
   カットおよびカラーリングに関連して、10万3600円を支払った。

 以上の1から4は、原告であるキャバクラ嬢と、被告である美容室側の双方
が認めている事実です。

 ちなみに「原告」というのは裁判を起こした側(訴えた側)の人、「被告」
というのは裁判を起こされた側(訴えられた側)の人を言います。そして、そ
れ以上の意味はありません。

 よく誤解する人がいるのですが、犯罪を起こして起訴された人、つまり刑事
事件の被疑者が検察に起訴されると、刑事裁判において「被告人」といわれる
ようになります。このイメージがあるため、民事裁判で訴えられた側の人が法
廷で「被告」と呼ばれることを嫌がったり、時には怒り出す人もいます。「人
(にん)」がつくかつかないかの違いだけですが、その意味合いはまったく別
のものです。

 また、刑事裁判と民事裁判の違いについても、一応簡単に説明しておきます
と、刑事裁判というのは、あくまで国家が犯罪を犯した人を「処罰」するため
の手続として行われます。これに対して民事裁判というのは、一般の人同士の
間で何らかの法的なトラブルが起きたような場合に、それを「解決」するため
に行われます。

 例えば、ずさんな衛生管理やパーマ液等の誤った取り扱いによって、お客様
の頭皮に火傷を負わせてしまったとします。この場合には、その施術を行った
美容師個人は、その程度により「業務上過失傷害」という、刑法に定められた
一種の犯罪を犯すことになり、懲役や罰金などの刑に科されます。(もっとも
よほど悪質な場合でなければ、懲役というのは考えにくいですが。)また、そ
のサービス内容によっては「医師法違反」や「美容師法違反」の罪に問われる
かもしれません。
 「美容師法違反の罪」といわれてもピンとこないかもしれませんが、美容師
法の第十七条の二には「第四条の八第一項の規定に違反した者は、一年以下の
懲役又は百万円以下の罰金に処する。」と、ちゃんと刑罰について書いている
のですね。
 このような「刑罰」が科されるのは、そのような行為を犯した人を処罰する
ことによって、社会秩序を保つためです。
 
 一方、被害にあった人の救済は、どのように図られるでしょうか? これは
実は刑事裁判では行われないのですね。例えば上記の例で美容室側に罰金が科
されたとしても、そのお金が被害者に支払われるわけではないのです。被害に
あった人は、民事裁判で加害者(被告)に損害賠償請求を行い勝訴することに
よって、はじめて実現するのですね。

 もうひとつ、わかりやすい例を挙げますと、現在の日本の法律では、借りた
お金を返さなくても「犯罪」とはなりません。しかし、お金を貸した側は民事
裁判で借りた側を訴えることによって、そのお金を回収することになります。
 具体的には、裁判で勝訴判決を得て、その判決をもとに、お金を借りた人が
持っている現金、預金、債権、不動産、動産などを差し押さえ、競売でお金に
替えるなどして、貸し金の回収を図ることになります。

 なお、ここで誤解をしないでいただきたいのは、最初はもちろん返すつもり
でお金を借りたものの、病気やけが、失業や事業の失敗などで「結果的に」お
金を返せなかった場合には、それは刑法などで処罰される「犯罪」とはならな
いということです。したがって、最初から「踏み倒す」つもりでお金を借りる
ような場合には「詐欺罪」などの罪に当てはまりますし、黙って会社のお金を
「あとで返す」つもりで「拝借する」ような行為は、たとえあとで返済したと
しても「窃盗財」や「横領罪」で処罰されますので念のため。

 さて、話がだいぶそれましたが、次回からも、『キャバクラ嬢・髪型裁判』
の解説を続けていきます。

□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□
<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□〓〓〓〓〓□□□□□
<編集後記>
 最近は、「耳かき」サロンなるものが流行しているようですね。私のサイト
にも、たまに「耳かき」や「耳掃除」をキーワードにして検索サイトから閲覧
してくる方が増えてきました。

 この「耳かき」については、また別の機会に取り上げていく予定ですが、T
Vの効果ってすごいですね。納豆があるTV番組で取り上げられた結果、全国
のスーパーの店頭で納豆が品薄になったなんていう話も耳にしています。
 しかし、こういうものは、継続して摂取するからこそ、効果があると思うの
ですが。以前メルマガで紹介した「生姜紅茶」もまたしかりです。

 それでは、次回もよろしくお願いいたします。

■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■
 ○発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史
 ○毎週水曜日発行 関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
 ○本誌に掲載した記事内容の無断転載・転用・転送は一切お断り致します。
■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■〓〓〓〓〓■■■■■
    Copyright (C) 2007 Yoshifumi Mori. All Rights Reserved.
第58号へ ←|第59号|→ 第60号

メルマガ登録・解除
週刊「理容室・美容室の経営法務」
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
このページは、サブウィンドウを使用して表示されています。
読み終えましたら、このウィンドウを閉じていただければ、メインページに戻ります。
検索エンジン等から直接このページに来訪された方は、こちらをクリックしてください。
『理美容六法.com』 ‐理容室・美容室経営の法律知識‐
Copyright (C) 2007 Yoshifumi Mori. All Rights Reserved.