メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第61号 2007年1月31日発行
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  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行  関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
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★☆『キャバクラ嬢・髪型裁判』を分析する(4)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。
 前号に続き、『キャバクラ嬢・髪型裁判』についての判決文の解説を続けま
す。今回は、美容室で髪を切ったり、パーマやカラーリングを施すことが、法
律上どのような「契約」になるのかについてです。

 さて、まず最初に「契約」についてですが、おそらく一般の方は「契約」と
いうと、会社と会社の間での業務に関する取り決めや、個人であれば住宅や自
動車などのように、比較的高価なものを購入する場合を連想するのではないで
しょうか? あるいはもっと身近なところで、アパートやマンション、あるい
は理容室・美容室のような店舗のテナントを賃貸する場面を連想されるかもし
れません。これらの場面に共通するのは、「売買契約書」や「賃貸契約書」な
どの表題のついた契約書に、署名をしてハンコを押すという行為です。

 しかし、実はコンビニでおにぎりを買ったり、レンタルビデオ店で音楽CD
や映画のDVDを借りたり、電車やバスに乗ったり、宅配便業者に荷物の配送
を依頼することなども、すべて何らかの「契約」にあたります。つまり、契約
は「契約書」などの書面を取り交わさなくても、口約束や、自動販売機で物を
買うような場合のように、時にはその口約束さえなくても、成立するというこ
となのですね。

 そして、このような契約において、例えば買ったケーキが賞味期限を過ぎて
いたり、購入したマンションの耐震強度が不足していたりといったような、さ
まざまなトラブルが生じた場合に備えて、民法などの法律で、こうした場合に
はどのように処理されるのかが定められているわけです。

 ちなみに、「民法」では、契約を次の13種類に分類しています。

 (1)贈 与………ただで、モノや権利をあげる契約
 (2)売 買………お金を払って、モノや権利を買う契約
 (3)交 換………当事者が、互いにお金以外の財産を交換する契約
 (4)消費貸借……金銭などを貸し借りする契約
 (5)使用貸借……ただでモノを貸し借りする契約
 (6)賃貸借………お金を払って、モノを貸し借りする契約
 (7)雇 用………他人の指揮監督の下に働いて、報酬を得る契約
 (8)請 負………当事者の一方がある仕事を完成させることを約束し、
          相手方がその仕事の結果に対して報酬を与える契約
 (9)委 任………当事者の一方が、自分の裁量で相手方のために法律
          行為を行う契約
 (10)寄 託………モノを他人に預ける契約
 (11)組 合………数人の当事者がそれぞれ出資をして共同事業を行う契約
 (12)終身定期金…ある人が死亡するまで、定期的にお金などを与える契約
 (13)和 解………当事者が互いに譲歩して、争いをやめる契約

 さて、問題は、理容室や美容室で髪をカットしたり、パーマやヘアカラーを
施すという行為が、上記の13種類のうち、どのジャンルの契約に分類される
か、あるいは民法では分類できない契約形態なのかということなのですね。

 まず贈与や売買、交換ではないことは、お分かりいただけるかと思います。
(昔は、女性の長い髪の毛を「売る」ということも、あったようですが。)
また、上記4〜6も違いますし、10〜13でもなさそうですね。
 そうなると、残りは7〜9ということになります。この3つの契約形態は、
「労務提供型契約」といって、「他人のために働くことで、お金をもらう」と
いう点が一応共通しています。このうち、7は文字通り「他人に雇われて、給
料をもらう」という契約ですが、理容師・美容師さんは別にお客様に雇われて
仕事をしているわけではないので、これも当てはまりません。
 となると、残りは8の「請負」と、9の「委任」ですね。そして、今回の裁
判でも、まさにこの点で、原告のキャバクラ嬢側(についている弁護士)と、
被告の美容室側(についている弁護士)で、主張の食い違いがあったわけなの
です。

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 1月も、あっという間に末日になってしまいました。正月明けの15日くら
いまでは、割と暇だったのですが、その後あっというまに忙しくなり、最近は
夜9時10時位までは、当然のように事務所で仕事をしています。
 しかし、共同事務所で一緒に仕事をしている税理士さんは、確定申告の時期
を迎え、私が帰ったあとも、まだまだ仕事をしているようですが。
 ちなみに、私の場合「忙しい」のは、仕事の量が多いというよりも、自分の
仕事の処理能力が低いだけという話もあるのですが・・・
 このままだと、またメルマガの配信を、ちょくちょく「サボる」かもしれま
せんね〜しかし、少なくとも今のテーマが完結するまでは、なんとか続けてい
こうと思っています。

 それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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