メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第64号 2007年3月28日発行
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  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行  関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
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★☆『キャバクラ嬢・髪型裁判』を分析する(7)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
最近は業務多忙につき、メルマガの配信をまたまたサボってしまいました…
m(_ _)m が、とりあえず今週も、どうかよろしくお願いいたします。

 さて、前号では、結局美容契約が「請負」であるか、「(準)委任」である
かについては、東京地裁でははっきりとした結論は出されませんでした。
 ただし、美容契約が「請負」であれ「(準)委任」であれ、お客様から抽象
的にオーダーされた髪型をつくりだすために、通常プロとして合理的なカット
手法を採用したのであれば、その美容師は、結果的にお客様のオーダーした髪
型を完全には再現できなかったとしても、それが直ちに「契約違反」となるわ
けではないということは、判断として示されました。

 そうなると、次に問題となるのは、今回の裁判で被告となった美容室側が、
原告のキャバクラ嬢から「抽象的にオーダーされた髪型をつくりだすために、
通常プロとして合理的なカット手法を採用したのかどうか?」という点にあり
ます。

 そこで、今号では、原告のキャバクラ嬢が、被告の美容室の担当者(店長)
にオーダーした内容について、それぞれの当事者の言い分を見ていきます。

《原告のキャバクラ嬢側の主張》

 原告のキャバクラ嬢は、被告となった美容室の担当者Fに対して、巻き髪や
カールが必要であることを伝えた上で、カット及びカラーリングを次のとおり
指示して依頼した。

(1)髪の毛の全体の長さは巻いたりするので長いままにする。
   ここで「長いまま」とは、「ベースを残して細かくカットすること」
  をいう。「スキばさみ」などをつかうこともあれば、縦にはさみをいれ
  細かくポイントカットをすることもあり、「間引く」感じである。これ
  を「アプローチカット」という。
   また、巻くことも想定しているため、長いままにするとは、ある程度
  頭髪のトップとサイドに髪の量を残すことを意味する。
(2)髪の毛全体を軽くする。
   ここで「軽く」とは、「スキばさみ」を用いたりして、数本ずつ髪の
  毛を間引くように切ることをいう。
  「セニングはさみ」を用いることもある。そのはさみには細かさがいろ
  いろあり、髪の毛を落とす量によって,はさみの種類を変える。
(3)髪の毛の上部はヘアメイク師がカールしやすいように流れるようにす
  る。「流れるように」とは、「見た目が流れる」ということで、髪の毛
  に「束感」をつけたり、根元から毛先にかけて、細かくカットをいれる
  と「流れ」が出る。流れの出し方は人それぞれだが、例えば,普通のは
  さみで、「長方形」の髪の束に「長三角」ないし「翼型」になるカット
  を細かくいれて「流れ」を作るのも一方法である。
   また、流れるようにするとは、ある程度頭髪のトップとサイドに髪の
  量を残すことを意味する。
(4)雑誌光文社発行の美容雑誌「ジェイ・ジェイ」平成16年5月号14
  ページ右側に掲載された写真の被写体である女性の髪型(以下「JJ記
  載の本件髪型」という。)を参考にしてカット、カラーリングをする。
   本件髪型を参考にするとは、ロングレイヤーの基本形を維持するとい
  うことである。
(5)カラーリングは自然な赤オレンジにする。

《被告の美容室側の主張》
 
 原告のキャバクラ嬢が、被告となった美容室の担当者Fに指示した業務内容
は、原告から随時受けた具体的指示を守りつつ、頭髪全体の外観をJJ記載の
本件髪型を原告に似合った様子で模倣することであり、カットする際の技法と
しては具体的には次の内容を有する。

(1)部位に応じて頭髪の長さに変化を付けるいわゆる「レイヤーカット」
  を行い、頭髪の外観に躍動感(あるいは頭髪方向の一定の「流れ」感)
  を与える。
(2)上記(1)に付随し、頭頂部付近の頭髪を短く切除し、または剥くな
  どして頭髪の総量を減らす(毛量を少なめに調整する。)。

 また、原告が具体的に指示した内容は次のとおりである。

(3)頭髪全体の外観上の長さは維持する。
(4)原告が「カラーチャート(色見本)」で示した髪色に染色する。

 このあたりは、私よりも読者の皆様の方が数段詳しいと思いますので、特に
解説はいらないかと思います。まあ、とりあえず最初のオーダーの段階から、
それぞれの主張に微妙な食い違いがあったことは確かですね。
(次号に続く)

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 先日の日曜日、能登半島を中心に大規模な地震が発生しました。ちなみに、
私の家も、震度4〜5弱くらいのレベルで揺れました。
 実は、この自身が起こる1週間ほど前に、自宅を引越したばかりでした。
したがって、家の中はまだダンボールが山積みになっている状態でしたし、一
応普段なら「防災グッズ」としてラジオ付懐中電灯や防災頭巾、カンパンや水
などを一通り準備しているのですが、今回はまだダンボールの中にあり、また
冷蔵庫も引越しに伴い空に近い状態にしていましたので、その意味では結構危
険な状況でした。
 ただ、幸いなことに、私の家やその近所、事務所やその周辺も含めて、特に
大きな被害は発生しませんでした。
 もっとも、このメルマガを書いている時点でも結構余震などがあり、まだま
だ油断できない状況です。

 それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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